原田ひ香『古本食堂 新装開店』レビュー|日常に寄り添う“もうひとつの居場所”

原田ひ香『古本食堂 新装開店』レビュー|日常に寄り添う“もうひとつの居場所” 小説

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東京・神保町の古本屋を舞台に繰り広げられる、食と本と人が織りなすあたたかい物語。
静かな日常に寄り添うような物語を読みたい方にぴったりの一冊――それが原田ひ香さんの『古本食堂 新装開店』です。

本記事では、

  • 『古本食堂 新装開店』のあらすじや世界観
  • SNSでのリアルな感想や評価
  • おすすめしたい人

など詳しく紹介しています。

これから読もうか検討している人も、この作品が合う人・合わない人まで分析しているので、この記事を読めば満足のいく読書体験ができるはず。ぜひ最後までご覧ください。

原田ひ香『古本食堂 新装開店』とは? ジャンル・あらすじ・世界観

『古本食堂 新装開店』の概要

ここでは、作品の基本情報やあらすじ、世界観についてご紹介します。

『古本食堂 新装開店』の概要

『古本食堂 新装開店』は、2024年6月にKADOKAWAより刊行された作品。

著者の原田ひ香さんは、『三千円の使いかた』『ランチ酒』など多数のヒット作で知られており、人と人との微妙な距離感や日常のほのかなドラマを描くのが得意な作家として多くの読者に親しまれています。

『古本食堂』の続編となる本作も、前作と同様、東京・神保町にある小さな古書店を舞台に、世代や立場の異なる登場人物、それぞれの人生や日々の営みが、食と本という親しみのあるテーマを軸に、穏やかな筆致で描かれています。

『古本食堂 新装開店』のあらすじ・世界観

舞台は都内・神保町にある、こぢんまりとした古書店。
店を営んでいるのは七十代の女性店主・珊瑚と、その親戚で美希喜。

古書店には、さまざまな事情を抱えたお客さんが訪れます。

小説家を目指している青年、昔の雑誌を探す女性──本を通して交わされる会話や、店先に漂う紙とインクの香りが、登場人物たちの距離を縮め、それぞれの過去や未来が少しずつ明らかになっていくのでした。

物語には、神保町に実在する食べ物屋も物語に登場し、天ぷらやうなぎ、昔ながらのお弁当といった味わい深いエピソードが作品に彩りを添えています。

『古本食堂 新装開店』の評価が高い理由は?

『古本食堂 新装開店』が幅広い世代から支持されているのは、単にストーリーが丁寧だからというだけではありません。
ここでは、作品の評価が高い理由について、客観的な特徴や強みを整理してみます。

本と食をめぐる新鮮な切り口

登場人物たちが本や料理を介して心を通わせる様子が描かれているため、単なるグルメ小説でも、本好き向けの小説でも終わらない独自の読後感があります。

食べること、本を読むこと、そして人と関わること。
そのすべてが等しく大切で、どれも日常のなかに静かに根付いていると感じられます。

料理や食事の描写がリアルで魅力的なため、読むタイミングによっては、お腹が空いてしまうかも(笑)

多様な世代・立場の人物が描かれる

70代の店主と20代の親戚という世代のギャップだけでなく、作家を目指す若者や、昔の雑誌を探す中年女性など、それぞれの人生が細やかに描かれています。

誰もがどこかに悩みや希望を持ちながら、古書店という場所で小さな変化を経験していく様子は、きっと幅広い世代の読者にも自然と共感されるのではないかと思います。

神保町の街や古書店のリアルな描写

作中では、古書がずらりと並ぶ店内の様子や、通りに面した喫茶店や定食屋の活気、店を訪れる常連客とのやりとりなどが細やかに描かれています。

実在するお店も登場することから、現地を知っている人なら「この雰囲気、わかる」と感じるかもしれませんし、まだ神保町を訪れたことのない人にも、町の空気や情景が自然と伝わってくるようです。

大人も共感できる静かな感動

家族や親戚、仕事や老いなど、誰にとっても身近なテーマが描かれており、読む人にとっても身近なテーマだけに、その中ににじむ温度や空気がリアル。

一つひとつの場面や会話が印象的で、読み終えたあともじんわりとした余韻が残る作品です。

本作はシリーズ2作目になります。
1作目を飛ばしても楽しめますが、序盤で人物関係を把握するのにやや苦労するかも。

また、シリーズ作品として続刊が予想できる構成のため、起承転結のはっきりした物語を好む方には不完全燃焼に感じるかもしれません。

ほかのレビューも読んでみる

これは私だけかもですが――原田ひ香さんの作品の主役がだいたい苦手なタイプで(笑)。
最初は物語の世界に入り込めないんですけど、ある瞬間からドボンと沼にハマったみたいにのめり込んじゃうんですよね。
なんなんだろう、いつもそんな感じ。

『古本食堂 新装開店』はどんな人におすすめ? 合わない人は?

ここからは、実際に『古本食堂  新装開店』を読んだ方々の感想や物語の特徴をもとに「おすすめしたい人」「逆に合わないかもしれない人」をまとめました。

本作を読んでみようか検討している人は、ぜひ参考にしてください。

おすすめしたい人

  • 日常を丁寧に描いた物語を読みたい人
  • 本や古書店が好きな人
  • グルメ描写のある小説が好きな人
  • 日常のささやかな出来事や、誰かと心が通う瞬間に価値を感じる人
  • 食べ歩きが趣味の人

こういう人には合わないかも

  • 物語のテンポが速い作品を求めている人
  • 大きな事件やサスペンス性のあるストーリーが好きな人
  • 派手な展開や強い刺激を期待している人
  • 明確なストーリー展開を求める人

『古本食堂 新装開店』が好きなら、こんな本もおすすめ

似ている本の紹介

『古本食堂 新装開店』と、物語の雰囲気やテーマ、登場人物同士の関係性に共通点のある作品をいくつか挙げてみました。
次に読む一冊選びのヒントにしてみてください。

1. 『木曜日にはココアを』

2. 『パンとスープとネコ日和』

ドラマ『パンとスープとネコ日和』は、Amazonプライムビデオで配信中
(2025年9月7日現在)
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3.『リカーシブル』

ほかにも
有川浩さんの『阪急電車』、原田マハさんの『旅屋おかえり』
森下典子さんの『日日是好日』おすすめです。

まとめ|原田ひ香『古本食堂 新装開店』レビュー|日常に寄り添う“もうひとつの居場所”

まとめ|原田ひ香『古本食堂 新装開店』レビュー|日常に寄り添う“もうひとつの居場所”

『古本食堂 新装開店』は、大きな事件や華やかな展開はありませんが、ページをめくるたびに穏やかな時間が流れ、読んでいるこちらの気持ちもゆるやかに癒されていくのを感じました。

日々の忙しさから離れてゆっくりしたい。
そんな気持ちになった時、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

気になった方は、ぜひこちらからチェックしてみてください。

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